電池に関する用語や業界用語をまとめています。お調べになりたい用語の頭文字のボタンをクリックしてください。

あ行

■アイドリングストップ(ISS)車

信号待ちなどで停車する際にエンジンを自動的に休止し、発進する際に自動的にエンジンを再始動する車両のこと。アイドリングストップ時には、バッテリーからエアコン・カーナビなどへ電力供給をし、また何度もエンジン始動(その都度、大電流を放電)するので、アイドリングストップ車用電池には高い耐久性が求められている。
参考:https://gyb.gs-yuasa.com/knowledge/car-eco/#sec_01

■エネルギー密度

電池の質量または容積あたりの取り出すことができるエネルギー量のこと。表示単位はWh/kgまたはWh/L。

か行

■駆動用

HEV、EVをはじめとした電動車のモーターの駆動に使用される用途のこと。

■クランキング性能

短時間に大量の電流を流してエンジンを始動させる性能のこと。コールド・クランキング・アンペア(CCA)とも言う。

■グリッド

電力網のこと。

さ行

■始動用

ガソリン車などのエンジンの始動に使用される用途のこと。

■冗長用

自動車の自動運転のバックアップなどに使用される用途のこと。

■常用分野

再生可能エネルギーやエネルギーマネジメントなどにおいて、常時の充放電に使用される用途のこと。

■新車向け

新車に搭載される電池で、自動車メーカーに納入される。

■全固体電池

リチウムイオン電池の安全面での課題である電解液(可燃性)を固体電解質に変えた電池のこと。安全性が期待でき、大容量化・小型化が図れるうえ、高速充電も可能になるため、次世代リチウムイオン電池として期待されており、各社が研究開発に力を入れている。

■セル

正極、負極、セパレータの集合体から成る電池の最小単位のこと。単体でも充放電機能を果たす。

■卒FIT

固定価格買取制度(FIT制度)の10年間の買取期間が満了した住宅用太陽光発電設備のこと。

た行

■定置用

住宅、ビル、商業施設や工場など需要家側に設置するものや、電力系統に接続し、再生可能エネルギーの出力変動緩和を目的として設置される蓄電池のこと。

■電気自動車(EV)

自宅や充電スタンドなどの外部充電でバッテリーに充電し、モーターを動力として走行する車のこと。充電した電力のみで走行するため、電気自動車用電池には高いエネルギー密度が求められている。

■特殊電池

衛星・ロケットなどの宇宙用や航空機用、潜水艦用など、特殊な用途に使用される電池の総称。

な行

■内燃機車(ICE)

Internal Combustion Engine の略で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで動く車のこと。

■鉛蓄電池

鉛を使用した電池で、自動車のエンジン始動や電力のバックアップなどに使用される。当社の売上高のうち約8割を鉛蓄電池が占めている。

■燃料電池車(FCV)

水素と酸素の化学反応で発電したエネルギーを使い、モーターで走る車のこと。水素ステーションによる供給が必要。

は行

■ハイブリッド車(HEV)

ガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターを搭載している車のこと。減速時の回生エネルギーを電池に貯めて、加速時に電池からエネルギーを取り出すなど、頻繁な入出力が必要なため、ハイブリッド車用電池には高い入出力特性が求められている。

■パワーコンディショナ(PCS)

太陽電池で発電した直流電力を、家庭やビルで使える交流電力に変換するための機器のこと。

■バックアップ用

停電時や災害時などに備えて蓄電しておくための用途のこと。

■バッテリーEV(BEV)

Battery Electric Vehicleの略で、ガソリンを使わず電気のみを使って走る車のこと。バッテリーに充電した電力でモーターを動かして走行する。

■バーチャルパワープラント(VPP)

小規模な太陽光発電や蓄電池など、散在するエネルギー源をIoT機器によって遠隔で制御し、一つの発電所のように機能させる仕組みのこと。

■非常用分野

データセンターや通信基地局向けなどにおいて、停電や災害などの非常時のバックアップに使用される用途のこと。

■ピークカット

蓄電池から電力を供給することにより、ピーク時の電力使用量を削減すること。

■ピークシフト

蓄電池への充放電により、電力を使う時間帯を電力需要のピーク時からずらすこと。

■プラグインハイブリッド車(PHEV)

外部充電機能が備わったハイブリッド車のこと。プラグインハイブリッド車用電池には、長い距離を走るための高いエネルギー密度が求められている。

■補機用

自動車のハイブリッドシステムの起動や、カーナビなどの電装品のバックアップに使用される用途のこと。

■補修向け

車検やバッテリー上がりなどが起きた時に交換する鉛蓄電池。納入先は代理店・カー用品の量販店・カーディーラー・石油元売り会社など。通常3~5年ほどのスパンで取り換え需要が発生する。日本市場では季節性があり、10月~12月が需要期。

ま行

■モジュール

複数のセルを接続し、構造部材で固定したもので、安全性を高めるために蓄電池制御装置を備えたものが多い。

ら行

■リチウムイオン電池

正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う電池のこと。

■リチウム硫黄電池

現行のリチウムイオン電池の正極を硫黄に置き換えた電池のこと。安価で軽量、大容量という特長がある。

■硫化物系

全固体電池に使用される固体電解質の素材の名称。酸化物系と比較してイオン伝導率が高いことが特徴で、車載用全固体電池の有力材料とされている。

A

■AGV

Automatic Guided Vehicleの略で、無人搬送車・無人搬送機のこと。搬送作業を無人で行うことができる新しい運搬手段。

B

■BEC

株式会社ブルーエナジーの略称。2009年4月にGSユアサと本田技研工業(Honda)の合弁会社として設立され、ハイブリッド車用リチウムイオン電池を製造・販売している。

E

■EMS

Energy Management Systemの略で、エネルギーの使用状況を可視化し、照明や空調、設備機器の稼働を制御することでエネルギーの運用を最適化するためのシステムのこと。

■EN電池

欧州統一規格(European Norm)に準拠した電池。通常の鉛蓄電池よりも低いため、自動車のボンネットを低くすることができ、安全性が向上する。基本的にEN電池は欧州の寒冷地に合わせた仕様で、日本の環境でそのまま使用するとリスクが高いため、日本の環境に合わせた構造設計の最適化が求められている。そこで当社は自動車メーカーから依頼を受け、日本の気候に合わせたEN電池を開発・供給している。
参考:https://gyb.gs-yuasa.com/products/car/eco-r-enj/

■EPC

設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を一括したプロジェクトとして工事を請負う契約方式。

■ESS

Energy Storage Systemsの略称で、電力貯蔵システムのこと。蓄電池(二次電池)とパワーコンディショナを組み合わせて電力系統に連系し、状況に応じて電力の貯蔵や放出を行うシステムのこと。

F

■FIT制度(固定価格買取制度)

再生可能エネルギーの普及を目的に、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定期間・一定価格で買い取ることを国が保証する制度。

L

■LEJ

旧 株式会社 リチウムエナジー ジャパンの略称。2007年12月にGSユアサと三菱商事株式会社、三菱自動車工業株式会社の合弁会社として設立され、プラグインハイブリッド車・電気自動車用リチウムイオン電池の製造・販売、常用分野(ESS)向けのリチウムイオン電池の製造を行っていた。
2024年3月に同社を合弁解消・解散し、 2024年度よりGSユアサで事業を継続している。

■LFP

リン酸鉄系と言われるリチウムイオン電池の種類の1つで、リン酸鉄を正極に使用しているリチウムイオン電池のこと。

■LIBTEC

技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センターの略称。国内のリチウムイオン電池材料に関わる企業が集結し、NEDOプロジェクトの委託事業とリチウムイオン電池材料評価の自主事業を進めている。

N

■NCA

ニッケル系と言われるリチウムイオン電池の種類の1つで、ニッケル・コバルト・アルミニウムなどの化合物を正極に使用しているリチウムイオン電池のこと。

■NEDO

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称。日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う研究開発マネジメント機関。

■NMC

三元系と言われるリチウムイオン電池の種類の1つで、ニッケル・マンガン・コバルトなどの化合物を正極に使用しているリチウムイオン電池のこと。

P

■PPA

Power Purchase Agreementの略で、発電者と消費者の間で締結する電力販売契約のこと。

U

■UPS

Uninterruptible Power Systemsの略で、停電などで電力が途切れた場合にも電力を供給し続ける無停電電源装置のこと。蓄電池と電力交換装置で構成される。

■12Vリチウムイオン電池

始動用鉛蓄電池からの代替品で、高いクランキング性能を有した電池。将来的には自動運転のバックアップ用や、HEVなどの電動車に搭載している補機用鉛バッテリーの代替品としても需要の拡大が見込まれている。