- コーポレート・ガバナンス報告書(2024年06月28日) (130KB)
- GSユアサレポート2024 ガバナンス (2,253KB)
持続的な成長や中長期的な企業価値向上を図るため、変化する経営環境に迅速かつ効率的に対応できる組織、体制を整備するとともに、コンプライアンス経営の徹底、強化を図り、経営の健全性、透明性の向上に真摯に取り組むことをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としています。
このような考え方に基づき、純粋持株会社である当社は、グループ事業全体の経営戦略の策定と事業統括およびグループ事業の執行に対する監督の役割を担います。一方、中核事業子会社である(株)GSユアサは、当社グループにおける事業執行の中心としての役割を担い、業務執行機能を集約、強化し、事業執行における機動性の向上を図っています。
このように、当社とGSユアサで機能を分担することにより、経営体制の充実や強化を図るとともに、経営の透明性や効率性を向上させるためのガバナンス体制を整えています。
■ガバナンス体制(2024年度)
■コーポレート・ガバナンス強化への取り組み
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則を全て実施しています。
当社は、コーポレートガバナンスの機関設計として監査役会設置会社制度を採用しています。
監査役会は、経営から独立した社外監査役2名を含む監査役4名で構成しており、常勤監査役が議長を務めています。監査役会は、原則として毎月開催され、取締役の意思決定プロセスや経営執行状況の適切性を監視しています。 監査役は、重要な会議(取締役会、グループリスク管理委員会など)に出席して意見および提言を行うとともに、監査方針や職務分担などに基づいた監査によって、健全な経営を実現するためのモニタリング機能を適切に果たしています。 また、会計監査人から監査体制や監査計画の説明および監査実施状況や監査内容に関する報告を受けるとともに、グループ会社に対する会計監査人の往査への同行またはリモートによるモニタリングを通じて、監査方法や監査状況などを確認しています。 さらに、内部監査担当部門から監査計画の説明や監査結果の報告を受けています。加えて監査役は社長、社外取締役との意見交換を定期的に行っています。 監査役が会計監査人や内部監査担当部門と定常的かつ緊密に連携することで、取締役の職務執行監査の実効性や効率性の向上を図っています。
■監査役会における主な審議事項
- 監査方針・監査計画の策定
- 監査報告書の作成
- 会計監査の相当性
- 会計監査人の評価および報酬の同意
- 内部統制システムの整備・運用状況
- 株主総会議案内容の監査
- 監査役候補者の指名に対する同意
■監査役監査における主な情報源
- 取締役や従業員からの職務執行状況の聴取
- 重要な決裁書や決議書類などの閲覧
- 財産状況の調査
- 重要な会議における取締役や従業員からの事業概況やリスク管理状況などの報告
取締役の指名および報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するための諮問機関として、独立社外取締役を委員長とした任意の指名・報酬委員会を2019年2月から設置しています。取締役候補者の選任案、代表取締役の選定案および後継者計画(育成計画を含む)などについて協議し、取締役会に答申します。また指名・報酬委員会は、取締役の報酬決定の方針や取締役の個人別報酬などについて協議し、取締役会に答申します。
2023年度の指名・報酬委員会は9回開催しました。
■取締役・監査役のスキルマトリックス/取締役会・監査役会の出席状況
純粋持株会社の取締役会としてその責務を実効的に果たすために、グループ全体の事業に関する知識・経験・能力などを有する人材、客観的な立場で長期的かつ幅広い視点から発言・行動できる人材をバランス良く選定しています。あわせて、ジェンダーや国際性の面も含む多様な意見を反映できる規模・構成となるようにしています。
- 個々の社内取締役の選定理由については、こちらをご参照ください。 (2,278KB)
2023年度に開催した取締役会での主な審議テーマ・付議報告は以下の通りです。当期は重点テーマとして中国における事業戦略 やBEV事業の戦略について多くの議論・報告を実施しています。
■2023年度の取締役会における主な議論状況
株主総会に 関する事項 |
●株主総会の招集および議案の決定 ●事業報告および計算書類などの承認 ●取締役候補者の決定 |
役員に 関する事項 |
●代表取締役および役付取締役の選定 ●取締役の報酬および賞与 ●取締役の他の法人役員の兼任 |
経営全般に 関する事項 |
●中期経営計画に関する事項 ●当社グループの事業戦略に関する事項 ●資金調達に関する事項 ●重要な事業活動に関する事項 |
その他 |
●指名・報酬委員会委員の選定 ●取締役会実効性評価の実施、報告 ●IR 活動に関する報告 ●政策保有株式の検証 |
当社では、取締役会のあるべき姿、果たすべき役割などと現状が一致しているかを確認し、改善事項を洗い出し、取締役会のさらなる運営改善を目指していくことを目的として、毎年1回、社外取締役および取締役社長を主宰者とし、取締役会の実効性評価を実施しています。
実効性評価により明らかになった課題については、改善策を検討し、実行しています。当社は、今後も取締役会の実効性評価を継続して実施し、さらなる改善に努めていきます。
■取締役会の実効性評価プロセス
■取締役会の実効性評価結果
■社外役員の選任理由と主な活動状況(2023年度)
十分な経験と識見を備え、経営執行者からの制約を受けることなく、客観的な立場から中長期的な企業価値の向上に寄与する発言のできる人材を複数名、選定しています。選定にあたっては、本人および近親者が所属している/していた法人と当社との間に、取引関係がないまたは極めて希薄であるなどの外形的な独立性も考慮に含めています。
なお当社は、社外取締役全員を独立役員として東京証券取引所に届け出ています。
当社は、社外取締役候補者の選定にあたっては、会社法に定める社外性の要件に該当することのほか、経営執行者からの制約をうけることなく、会社業務の執行の適法性・妥当性について株主の立場から客観的・中立的に判断することができる経験と識見を具備されているか否かを判断するよう努めております。
また、外形的にも独立性を有している人材が望ましいと考えており、そのため東証の定める独立性基準等を参考にしております。
- 独立役員届出書(2024年5月31日) (97KB)
継続的な企業価値の向上および企業競争力の強化のため、優秀な人材の確保、維持および業績向上へのモチベーションを高めることを考慮した水準および体系としています。
取締役の報酬などの具体的な支給額は、株主総会に承認された報酬限度額の範囲内において、指名・報酬委員会の答申を踏まえ、取締役社長に委任することを取締役会で決定しており、取締役社長が具体的内容について委任を受けた上で各取締役の基本報酬の額および賞与の額を決定しております。
また、報酬体系へのESG指標の評価連動についても現在検討を進めています。
(1)取締役
固定の基本報酬ならびに短期インセンティブとしての業績連動の年次賞与および中長期インセンティブとしての業績連動の株式報酬により構成しています。基本報酬は、各取締役の役位等に応じた基準額とし、当社と同程度の事業規模の上場企業水準等を勘案して決定しております。業績連動報酬は、年次賞与(短期業績連動報酬)と株式報酬(中長期業績連動報酬)で構成しております。株式報酬は、業績連動型株式報酬制度を導入しており、取締役の退任時にポイント数に応じた株式が交付されます。
(2)監査役
2005年6月29日開催の第1期定時株主総会において決議された報酬額の範囲内で、監査役にて協議して決定しています。なお、その役割と独立性の観点から固定報酬である基本報酬のみとしています。
■報酬の総額と役員数
■報酬の構成
■報酬の評価項目
当社は、取締役等に重大な不正・違反行為等があった場合、指名・報酬委員会の諮問を経て、取締役会で決議することにより、当該取締役等に対し、報酬の没収又は返還を請求する場合があります。
当社グループは、投資先との中長期的な関係維持、取引拡大、シナジーが期待できる純投資以外の株式を保有することは、事業活動の円滑な推進、取引拡大により当社の持続的な成長に資するとともに、地域社会との良好な関係を維持、醸成することにより地域経済の発展に寄与するものと考えております。そのため保有意義に加え、経済合理性含めた総合的な保有の合理性が確認できる株式は原則保有する方針でおり、毎年当社の取締役会において、特定投資株式の個別銘柄ごとに次の観点を中心に検証を行い、保有の合理性を確認しています。
定性情報 | ・取引関係の有無 |
・将来的な取引・アライアンスの可能性 | |
・株式処分した場合のリスク | |
・取引関係以外の保有意義 | |
定量情報 | ・直近の取引高、利益額 |
・年間受取配当金額、株式評価損益 |
これらの方針に基づき、2023年度においても政策保有株式の一部売却を行っています。
当社は、政策保有株式に係る議決権行使については、中長期的な企業価値向上の観点から、投資先企業の議案の合理性を総合的に判断のうえ、議決権を行使しております。
当社グループのリスク管理については、下記リンクをご参照ください。
当社グループでは、経営基盤を強化するために、会社法に基づいた業務の適正を確保するための体制や、必要な規則を整備して、適切な経営情報の管理、リスク管理およびグループの監査などのしくみを構築しています。
また、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度に対応するために、財務報告に係る内部統制の体制やしくみを構築・維持しています。海外の子会社を含めた連結グループ各社は、内部統制の整備および運用状況を社内評価し、社外の監査を受けた後に内部統制報告書を開示しています。
- 詳細は金融庁の金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システムEDINET(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)をご参照ください。
当社は、当社グループの会社財産の保全や経営効率の増進を図るために、監査に関する業務を担当する部門が内部監査を定期的に実施しています。
内部監査では、当社グループの経営活動における組織、制度、業務活動を対象に、関連法規、社則、企業倫理基準などに対する合法性、適合性、適切性を検証、評価しています。また、検証・評価結果に基づいた改善指導や合理化への助言・提案を行うことで、法令遵守の徹底や業務活動の改善向上を図っています。なお、内部監査の結果は、速やかに、取締役社長や関係者(担当役員、担当部門など)に報告するとともに、監査役に情報共有して意見交換を行うことで、監査役との連携による実効性の高い監査の実現を図っています。
■内部監査の範囲
区分 |
範囲 |
業務監査 |
当社グループの業務活動が、関連法規、経営方針、倫理基準、社則に準拠し、適法、適切かつ効率的に運用されているかの監査 |
会計監査 |
会計に関する証憑書類等を調査し、これに基づいて作成された会計記録の適法性や妥当性に関する監査 |
特命監査 |
業務監査および会計監査以外で、取締役社長が特に命じた事項に関する監査 |
近年自然災害や工場火災、サプライチェーンの混乱などが発生しており、リスクへの対応が企業の社会的責任の面からも不可欠となっています。そのため当社グループでは、BCP対応を促進するため、2021年度から安全衛生環境統括部を中心に他部門のメンバーを含めてBCPプロジェクトを開始し、2023年度にはBCP体制を構築しました。(BCPマニュアルの整備、事業インパクト分析、従業員等の安否確認システムの構築)
2024年4月には「事業継続方針」を制定したほか、より実効性のある活動につなげるために四半期ごとのBCP推進会議(グループ全体参加)をスタートさせ、同6月には安全と災害時の対応についての情報をまとめた「サバイバルカード(災害発生時の行動要領)」を全社員に配布し、BCPの社内浸透を図っています。同11月には緊急対策本部演習も行う予定で、有事の際に迅速な対応ができるよう備えます。今後はBCP推進会議を通して本格運用への取り組みと、BCPの浸透に向けた社内教育・訓練の実施を予定しており、グループ全体でのBCP体制の運用を進めます。