昨今、社会は凄まじいスピードで変化しており、世界規模で不確実性が著しく高まっています。こうした時代の中で持続的な社会と当社の持続的な成長を実現するためには、当社グループ全体で企業理念の「革新と成長」を実践し、社会におけるGSユアサの存在意義を一層明確にしていかなければなりません。
当社を取り巻く経営環境の変化を見据えて、2035年時点での当社のありたい姿を描いた長期ビジョン「Vision 2035」では、モビリティと社会インフラの2分野を注力領域とし、事業基盤を転換していく戦略を示しました。今後当社は、モビリティと社会インフラの発展に必要なデバイスとそれらに付随するアプリケーションに対して、電池技術を全方位で提供し、「エネルギー・マネジメント・カンパニー」を目指してまいります。
2035年のありたい姿の実現に向けて、成長の柱となるのがBEV用リチウムイオン電池・常用分野を中心とした「高容量・高出力なリチウムイオン電池」です。日々技術革新が進むリチウムイオン電池の分野において、当社が国際的な競争力を高めていく為には、研究開発や設備投資、ならびに世界で競争するための原動力となる人材への投資を継続して行うことが重要です。一方、長期で安定した経営を維持していくためには、資本コストを意識し、経営指標の改善と事業リスクの低減を図らなければなりません。まずは既存事業の収益基盤の強化を進め、そこから創出されるキャッシュを成長事業であるリチウムイオン電池に投ずる仕組み作りを継続することで、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
株主・投資家のみなさまにおかれましては、「エネルギー・マネジメント・カンパニー」として、持続的な企業価値向上にまい進する当社に、今後も一層のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
2024年6月28日
代表取締役 取締役社長